masayaan

ドイツ零年のmasayaanのレビュー・感想・評価

ドイツ零年(1948年製作の映画)
4.2
バザンの映画本を読んだらフェリーニ、フェリーニ言う前にロッセリーニくらいちゃんと観た方が良い気がしてきたので『無防備都市』以外を観てみるプロジェクト、その2。

これは傑作でした。いまだ混乱収まらぬ、戦後間もないベルリンを舞台にした少年の孤独。社会から生活を見るのではなく、あくまでも生活の写実から社会をあぶりだすという古典的リアリズム。物語にアクセントを加える「事件」そのものよりも、その過程や事後に漂う逡巡の描写こそが映画だという模範的実践のようである。

自分が罪を犯したことを知り、先生の住まいから走り去る少年をベランダから見下ろすショット、あるいは不意に画面を大きく占拠する無言のクロースアップ。その他、「このショットを撮るがために作られた映画なのだろう」と思えるような輝かしくも凍えるような瞬間の数々。そして音楽の挿入のタイミング、セレクトともに完璧だ。

例えばカサヴェテスなど、僕の大好きな作家たちに巨大な影響を与えたのだろう、ということが知れただけでも見た価値がありました。早くあと3本が見たい!!