Takaomi

オープン・ウォーターのTakaomiのレビュー・感想・評価

オープン・ウォーター(2004年製作の映画)
3.0
大海原のど真ん中に取り残された二人の夫婦の実話をもとに作られた映画。

当時、海を題材にしたパニック映画好きのなかでもダントツにリアルで怖いと話題になっていた。
ずっと観たいと思ったまま自分のなかでお蔵入りになっていたので、ようやく鑑賞。

いやぁシンプルに怖い。怖すぎる。
地上を牛耳る人間でさえも自然の力を前にしてはどうあがいても到底抗えない。

それに海の王様シャークが噛みついて絡みついて人に対する鬱憤を晴らすかのように本能のままに襲いかかるのはただただトラウマ。

ここではいくら知識があっても使い物にはならなくて本能に身を任せるしかない
。自然に答えなどないまさに誰特な映画です(笑)

終始ドキュメンタリータッチで描くのにこだわっていて、ひとつの夫婦の悩みや人間性、人生物語、どん底に落ちる恐怖をまるで自分のことのように感じられます。

それができたのも低予算ならではのホームビデオ感とカメラの解像度やカメラワーク。
ざらざらした映像が海やサメの質感や視線を表現できていて、しかも撮影にはCGを一切使わず本物サメを大量に使っているそう。(一応調教してるらしいけど(つД`))

1分1秒が過ぎ去るのが果てしなく長く、痛みが増せば増すほど一体どのくらい時間がたっているのかいつ助けが来るのか麻痺してくる感じも本当に嫌だ。
電車のなかでトイレが我慢できないような感覚に似てるけど、それ以上だもんな。。。

希望から絶望に、絶望から失望に変わる瞬間、人はなにも感じることなく無になってしまうんですね。

果たして彼らは助かることはできるのか、それとも海に飲み込まれてしまうのか。

思わず顔を背けたくなるのでエンドロールまで観ることをオススメします。

だけどただのサメ映画になっていたのが、残念かな。
海にずっと浸かっていることで低体温や脱水症状になる身体的変化や夫婦の愛のかたちを描いていたら、もっと絶望的だし娯楽には危険が伴うメッセージ伝えられた気がするな。

この試写会は真っ暗のプール内で行われたらしいけど、あまりにも悪趣味すぎるっしょ (泣)
海嫌いな人にはオススメできませーん。
Takaomi

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