こんな内容なのに力をもらった気分。変な話だけど、ちゃんと生きようと思った。。
目を背けたくなるまでの残酷さを体験させられ、心に傷がつけられる。
決して露悪的なものを描くことが目的になっていないと思う。これはフィクションだけど、現実の世界にも確実に存在しているから。。
あるポイントを境に、その前半と後半で相反するものが描かれる。希望と絶望、天国と地獄、生と死。
セックスという行為ひとつとっても、猥雑だったり神秘的だったり美しかったり楽しかったり苦しかったり悲しかったりする。肉体の持つ儚さや脆さにも目を向けさせられる。
あのシーンは本当に見ていて辛い。
地下通路を歩くコツコツとした足音は、ダンサー・イン・ザ・ダークの107歩のような緊張感。
行為シーンになると、それまでの手持ちかドローンによるグラグラな視点とは打って変わっての固定カメラによる突き放した映像。渇いた生々しさがある。観てる人間からしても、もはや真正面から立ち向かい傷つくほかの逃げ場がない。救いはこれがフィクションだってことくらい。。そうでも思わないと耐えられない。でもその耐えられなさを受け止めることでしか、酷薄な現実に思いを馳せることはできないと思う。
