えびちゃん

アレックスのえびちゃんのレビュー・感想・評価

アレックス(2002年製作の映画)
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トラウマを刻み付けられる作品とは聞いていて、心の準備をして臨んだものの、やはり心をズッタズタにされてしまった。2週間くらい前に観たのだけど、ずっと夜道が怖い。
もう少し深めたいな、とは思うものの、もう一度観るにはかなり奮起しないと無理かも…。しかしながらエンドロールから始まる冒頭からのキマりきった映像の中毒になってこの作品をとても好きだと感じてしまった。
トラウマに触れないように書けるだろうか。
レクタム(直腸)という名のゲイクラブで起こる暴行事件から物語は始まる。画面いっぱいに点滅する赤、観る者をおちょくるような忙しなく天地を駆け巡る手ブレカメラ、暴力的に見せつけてくる性、目を背けざるをえない行き過ぎた暴力…もうムリ!のタイミングでの遡る時間軸。なぜ、レクタムで事件が起こるに至ったのか巻き戻される…。
噂に聞いていた最悪の長回しレイプシーンは画面を見つめる自分の視線がすごく嫌だった。
『CLIMAX/クライマックス』でも長々と尺を使った至極くだらないセックス談議はノエちゃんお決まりなのかな?本当に実りがないんだよな内容に…。→有識者よりお決まりであるということが示されました。
時間軸が遡れば遡るほど、幸せだった過去をみせつけられ、観る者をどん底に突き落とす。こんなの、映像の暴力じゃないか。
わたしは運命なんて信じていないけど、ひとは定められた運命からは逃れられないのかもしれない、と思わずにいられない作品だった。
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