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犯人は21番に住むのzoeのレビュー・感想・評価

犯人は21番に住む(1943年製作の映画)
3.7
アンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督作品初鑑賞。クルーゾー監督の長編デビュー作。

探偵のヴェンスがパリのモンマルトルで起きた殺人事件の真相を追う様子をスリリングかつコミカルに描いた作品。

レンタルビデオ屋さんで偶然見つけて、題名からして面白そうだったので借りた。完全にサスペンス映画だと思ってたので、思ってた感じとは違ったものの、楽しめた。

序盤の、犯人が酔っ払いを追い詰めていくシーンがすごく良い。犯人目線の描写で、じりじりと近付いていき、犯行に及ぶ。恐怖と気味の悪さが真っ直ぐ伝わってきた。

ミラのキャラクターがすごく良い。飛び抜けてコミカルで、シリアスな場面でも一人だけ明るい雰囲気を放っていて、浮いてるときもあったけど彼女の存在が映画全体の雰囲気を柔らかくしている。

頭の賢い犯人なのに、殺人犯にありがちなナルシシズムが邪魔をする。本人は自覚していないであろうそのナルシシズムが落とし穴を作ってるのが面白い。

ミラがヴェンズのニキビを潰そうとするシーンはすごい笑えた。いつの時代にでもいるんだな、他人のニキビ潰したくなるひと。
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