No.818[割礼を巡るブラックコメディ] 50点
結局多民族戦争において命を救うのは幸運と言語力なのである。
ユダヤ人の少年サリーが生き残るためにソ連ドイツ双方の考え方に共感したフリをして戦乱の東ヨーロッパを渡り歩く。ソ連の孤児院からドイツ軍の捕虜となり、通訳を経てユーゲントとなる。レニという恋人まで出来るが、割礼がバレないようにするためにセックスから逃げ回っていたところ別のユーゲントとデキていて絶望する。その後もサリーは"一握りの幸運"によって終戦まで生き延びるのだ。
ユダヤ人であるサリーを前にユダヤ人の見分け方を教えたり、割礼がバレないように逃げ回ったりする姿はどこか喜劇的で、チャップリンの件の名言を思い出してしまう。原作との差異を知らないが、見ている側が不安になるくらいエンターテイメントしていた。
ただ、"一握りの幸運"というのが私の嫌いな「フォレスト・ガンプ」に似ていて、うーんという感じ。別にトントン拍子なのが嫌いな訳ではないのだが、突然コミカルになったり突然シリアスになったりして感情が定まらないから好きじゃないんだろう。言ってしまえば葬儀場でふざける人みたいな感覚である。
ヒトラーとスターリンが踊ってるとことかクサすぎて恥ずかしかった。デルピーも三つ編みが絶望的に似合ってない。