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ヨーロッパ・ヨーロッパ 〜僕を愛したふたつの国〜のCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

2.5
【割礼のトリッキーすぎる象徴】
『ソハの地下水道』で日本でも再注目された、アンジェイ・ワイダの弟子(妹子と言った方がいいのだろうか)アニエスカ・ホランドの代表作。

割礼がばれないように第二次世界大戦を逃げ回る少年の姿は、日本における韓国人や中国人であることを隠そうとし帰化したりする人々にも通じるところがあり、そのスリリングな逃亡劇は新鮮かつ重要なものを感じる。

割礼という、性的恥部というのを血を、正体を隠そうとするユダヤ人像に重ね合わせる手法は上手い。

ただ、『ソハの地下水道』もそうだが、アニエスカ・ホランドはいつも師匠を超えられない感じが強く、結局教科書に載る程度、勉強映画の枠から抜け出せていない気がした。
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