トムヤムクン

ヴァンダの部屋のトムヤムクンのレビュー・感想・評価

ヴァンダの部屋(2000年製作の映画)
5.0
身体を洗う、オムツを替える、シャブをきめて○○を吐く… 重機の圧倒的で無慈悲な破壊の音にさらされ、日々着実に足元が喪われていく、これが彼らの日常。○○を誤魔化し、寒い寒いと陽気に口笛を吹いてみせるヴァンダは強かなのかも知れない、同居人としては絶対的に選択対象外だが。暗い映像の中、蝋燭や焚火の周りでぼんやりと浮かび上がる人々の顔に生を感じる夜、真昼のギラつく光に晒された重機の黄色い機体が家屋を轟音と共に押し潰す、生と破壊… 最後、フレームは無人の空間を映し、人が無為に現れ、無為に出ていき再び誰も居なくなった。人生もそういうもんなのだろう。
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