Ricola

オーケストラの少女のRicolaのレビュー・感想・評価

オーケストラの少女(1937年製作の映画)
3.8
想像した通り、やはり明るく元気をもらえる作品だった。


失業したトロンボーン奏者の父のために、オーケストラをつくることに奔走する少女パッツィ。

活発で思い立ったらすぐに行動に移してしまうパッツィ。
彼女の猛突突進しつこいくらい押して押して押しまくる。
どんなに周りから言われても、決してめげない。
正直ちょっとうるさいと思うくらいだったけれど笑、彼女のパワーで分厚い壁をぶち破っていく。
その彼女の勇敢な姿に、だんだんと彼女の周りの人もそして観ていた自分も、背中を押されていく。
また何より彼女の歌声にも魅了される。

また、この映画のもう一つの大きな特徴は指揮者のレオポルド・ストコフスキーが本人役で登場していることである。
彼は本当に有名な指揮者だそうで、冒頭のオーケストラの演奏と合わせて彼の指揮する姿がやたら映されると思ったら、彼がこの作品における目玉であるということだった。
また、実在のフィラデルフィア管弦楽団も演奏して出演しているから驚きである。

そしてストーリーはこの短尺にもかかわらず、起承転結がしっかりしており、とても観やすい。

冒頭とラストがリンクしていて、まとまりの良いすっきりとした終わり方もよかった。

パッツィの天真爛漫で頑張り屋な姿と、美しい音楽と痛快なサクセスストーリーと、この時期だからこそよりしみるような作品だった。
Ricola

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