イチロヲ

悪魔のセックス・ブッチャーのイチロヲのレビュー・感想・評価

3.0
湖畔で家族と一緒に暮らしている訳ありの青年が、自宅に招いた女性たちを理不尽に殺害していく。エド・ゲイン事件を元ネタにしている、スラッシャー・ホラー。

人に親切にしているだけの青年が、どういうわけか猟奇殺人に手を染めてしまう。青年は「僕はやっていない」と言い、父は「おまえがやっている」と言う。親子がミスリード感満点の掛け合いを見せるため、ラストの着地点が読めてしまう。

殺害の手口は「サイコ」のオマージュ的なものから半ば無理やりな首チョンパまで、女優のヌードも相まって、"当時としては"責めているゴア表現を披露してくれる。「僕はやっていないのに」とイジケた青年が町に繰り出すシーンの"ザ・70年代"が興味深い。

また本作では、ベトナム戦争の影響を抱えてる人物が、カメラ目線でメッセージを送るシーンが登場。「シベリア超特急」の山下閣下に先駆けており、「作り手は同じアイデアをもっていること」を痛感させられる(さすがにシベ超の元ネタではないだろう)。
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