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悲しみは空の彼方にのpikaのレビュー・感想・評価

悲しみは空の彼方に(1959年製作の映画)
5.0
最高傑作作って監督業を引退するとかダグラス・サークカッコよすぎる。
個人的には「天はすべて許し給う」が好きだが、今作はどう言葉で表現したらいいのかサッパリ検討もつかないくらいに濃厚で重厚でスマートで気品ある大傑作だった。
久しぶりに映画見て泣いた。ラスト30分何回泣かせるのかと。特にラストはヤバい。

ベースはメロドラマなんだけど、この映画の要素を引っこ抜けば5〜6本単体で映画を作れるくらいに溢れんばかりのメッセージが込められていて、それらが反発することなく見事なまでに融合し綺麗に収束しつつもエンドを迎えても終わらない問いかけが続いている。

何気ない台詞や感情表現がピーンと張り詰めては心に引っかかり、それらが次々と溜まってきても安易な結論や結果を提示せず、永遠に心に残してしまう。
物語が100あるとして映画で描かれているのは10くらいのものなのに、描かれていない90を台詞一つや仕草や映像で表現しきってしまう演出!
凄過ぎて腰が抜けました。

凄過ぎて全く整理ができない。どうなってるのかサッパリわからん。
映画にグイグイと引っ張られてはメロドラマの醍醐味だとばかりに、酔いしれ心動かされ考えさせられ泣かせられ・・・まるで魔法のよう。最高!
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