マーくんパパ

生きてるうちが花なのよ 死んだらそれまでよ党宣言のマーくんパパのレビュー・感想・評価

3.3
題名だけ見たら軽喜劇かなと思ったが中々ハードボイルドタッチの社会派ドラマでした(最近は何の予備知識なしで観てる)。
修学旅行参加拒否された仕返しに学校の旅行積立金と先生1人を拉致して車で逃走する不良中学生グループで幕開け。故郷沖縄に帰っ来た旅回りストリッパーのバーバラ姉さん、自分を捨てて別の女に走ったヤクザで原発ジプシーの宮里と再会。原発ジプシーとは被曝の危険高い原発の定期点検作業に駆り出され全国を転々とするこれもドサ回り稼業。場所を敦賀原発の町に移し、被曝した恋人安次の身を隠す為に偽の葬式するネアカな頭の足りないアイコや原発の汚染漏れを見てしまった出稼ぎジャパゆきさんのマリア、口封じの為にヤクザと結託して動く悪徳刑事らが多彩に登場する。やや登場人物が派生し過ぎて焦点ボケた感はあるが、福島原発事故を目の当たりにした今観る方が切迫感は増します。あの程度の装備で作業させられたら汚染されるの自明の理と思うが、原発の危険性を隠したがる官憲や三食カップヌードルで生活するジャパゆきさんの実態を提起した点は評価したい。登場人物みんなが根無し草の生活、でも生きていればこそいいことあるよの応援メッセージで救われる。