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続・激突!/カージャックのpikaのレビュー・感想・評価

続・激突!/カージャック(1974年製作の映画)
4.5
「激突」の続編みたいな題名で全く関係ないっていう噂は聞いてて、そんな扱いの初期作か、なんてあんまり見る気が湧かない作品だったんだけど超傑作ではないですか!!めちゃくちゃ面白かった!
クライムロードムービーを軸にコミカルでスリリングでカーアクションからガンアクションまで色とりどりなジャンルのごった煮映画!こういうの弱い。超最高!

お決まりな感じで置いてかれる老夫婦やゾロゾロついてくるパトカーとその顛末、ガソリン泥棒のシークエンスなどいちいちシュールなプークスクスカットを入れてくるのがマジスピルバーグ!笑

ストーリー的には緊迫感のあるドラマなのにキャラも音楽も演出もほのぼのしていてニヤニヤと和むし、マスコミや町の人々の描写なんかも今では失われた近さっつーか、お茶の間がダイレクトに面と向かう感じがあって今見ると逆に新鮮。
夫婦のキャラや警部の人間臭さなどの暗示させる演出なんかも抜かりなく見事だが、一番は人質に取られた警官のキャラ!彼の心理変化とドラマ展開の温度差が映画の醍醐味たる感情に直結していて、後半からガラリと雰囲気が変わっていく様などジャンルのごった煮ってだけでなく細部まできめ細やかな構成が凄い。

急な振り切り方とか観客の意表を突くための意図的な演出にも見えるけど、史実っていう面やジャンル的にアメリカン・ニューシネマな系譜であることから気にならず受け入れられるし、嫌味なく人間を肯定する姿勢と言うのか、多角的ではないとは言え娯楽作として充分なクオリティを保ちながら、一括りにされがちな肩書きを持つ人々の見えにくい一面を浮き上がらせるにはこの上なく素晴らしいものであったなと感動した。

昨夜見て今日1日運転しながら警官と夫婦のやり取りを思い出したりして、、、余韻凄いっす!
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