春21号

続・激突!/カージャックの春21号のレビュー・感想・評価

続・激突!/カージャック(1974年製作の映画)
4.3
世界一間抜けで切ないカージャック

アメリカンニューシネマの系譜にある映画だった。
前科者の妻と服役中の夫が里親に引き取られてしまった自分達の子供を誘拐しようとする話
2人は警官を脅しそのまま警官ごとパトカーを強奪して子供のところまで行こうとするが…

まさかの開けてびっくりコメディだった。
ダメ夫とそれを引っ張る男前妻のやりとりが最高な前半から、警察を巻き込んでの珍道中へとなだれ込む中盤、そして静かな後半へ…
最後はニューシネマ的であり、スピルバーグがその後繰り返し用いる"ダメ男の最後の輝き"だった。
僕がこの映画が好きなのはこの部分にあって、と言うかスピルバーグ映画の好きな理由がまさにこの部分で本作はその原点であったとおもう。

僕は犯人の夫が誘拐した警官に
俺も警官になろうかな?というシーンが1番ジーンと来てしまった。
やり直したかったんだなぁ

スピルバーグの静かな傑作だと思う。
タイトルで敬遠している人は是非
春21号

春21号