13歳で親の決めた結婚から逃れ親戚を頼ってソマリアの砂漠を抜け出し、ストリートチルドレンとして放浪した後、イギリスのハンバーバーガーショップでハンティングされスーパーモデルになった彼女の自叙伝的作品。
13歳で結婚はもちろんだが、3歳で女性が割礼を受けるという文化は、呑気な日本ではその認知度自体低いだろう。
時系列で淡々と描かれており、突きつけられる貧しさと痛みにに耐え抜いてきた少女からは強さが感じられる。
超田舎(というよりも何もない砂漠)から大都会ロンドン。文化も言葉も異なる国で慣れないながら、無垢な少女が人々と少しずつ溶け込んでいく様子にわずかばかり癒され、心に染みた。
確かにシンデレラストーリーなのかもしれないが、一瞬で出来上がる魔法の呪文のような輝きはなく、苦悩と痛みを経た強運が彼女にはあった。