フラハティ

ライフ・イズ・ビューティフルのフラハティのレビュー・感想・評価

3.9
この映画を観る度に思うんだけど、人生はどうやっても不平等にしかならないのか?ということ。


生まれた時代、生まれた国、性別、性格、家庭環境、生活環境など、どれもがランダムでバラバラで、そんな中でも人生は美しい。
現代に生まれればこの家族はこんな思いをせずに済んだはずなのに、でも生まれたからには生きるべきだ。懸命に。

本作は戦時下のイタリアにおいて、おそらく多くの人々が体験した出来事。
決して忘れることはない記憶のなかで、一人の少年が永遠に救われることとなる出来事。


収容所においてのリアリティのなさはさすがに脚本的には苦しいが、本作は苦しい現実を生き抜く術が描かれる。 
どのような状況に陥ったとしても、人を救うのは人の行いであるということ。
苦しいとき、辛いときだからこそ人は笑う。
笑うことができるのは人間だけ。
人生を美しく彩るのは自分だ。
だからこそ幸せであらねば。
そのためには最愛の人へ、最大の幸福を届けなければ。
自分だけではどうにもならないことだってあるが、人生経験すべてが美しい。

苦しみがあれば誰もが悲観的となり、自分が悲劇のヒロインのように思う。
人生の中で残るものもあれば、消えていくものもある。
この物語は残っていくし、現実で起こった悲劇も残っていく。
大事なのは語り継ぐことであり、本作の物語のようにこの映画も語り継がれていく。
現代でも未来は明るいことばかりではない。
今日まで幸せだったとしても、明日からは不幸になるかもしれない。
だからこそ自分の身の振り方を考え、隣の誰かのためを思う人生を過ごしたいもの。


本作は紛れもない名作に違いない。
以前5年前くらいに観たときも心に響いたのを覚えている。
ただ、文句というよりは観直してちょっと思ったこと。
グイドをどう見るかということ。
後半は自身の不安や苦しみを吐露することなく、ひとえに子供のためを思う。
親としての素晴らしさはかっこよすぎる。
ただ、前半からの饒舌さとかはちょっと騒がしく感じて好きではなかったかなぁ。
前半では恋模様以外にも、彼の性格の深い部分まで描いてもよかったんじゃないかなとも思う。
表面的な部分はわかりやすいが、それ以上の深み(悩みとか、後悔とか)も欲しかったなぁ。
まあ彼のポジティブな性格が本作のキーでもあるわけなので、こういう描写でも問題はないんだろうけど。


本作はホロコーストが扱われているが、そこは重要ではなく、どんな状況においても人生を意義あるものとして捉えること。
あられもない現実に立ち向かうこと。
こんな事実を突きつける。
人生は不平等だが、自分という人間が存在し、愛する誰かが存在するならば、悲観的に捉えず、人生を何とか前へ進めていく。
現実は変わらないかもしれない。
でもこの瞬間に、誰かの命が救われるかもしれない。
グイドは全く変わることはなく、困難までも笑顔とジョークで乗りきろうとする。
本当に苦しいときこそ、その人間の本当の姿が見える。
イタリア男はチャラいぜ。