無差別イイネは咒殺

ライフ・イズ・ビューティフルの無差別イイネは咒殺のレビュー・感想・評価

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「美しい」
「何が?」
「人生が」
──ミヒャエル・ハネケ『愛、アムール』

あなたは今、何に悩んでいますか。
仕事でしょうか。
人間関係でしょうか。
はたまた家庭でしょうか。
悩みが全くないという人の方が少ないと思います。
本日は皆様の悩みが、もしかしたらほんのちょっとだけでも和らぐかもしれない──そんな作品を紹介させていただきます。

1939年イタリア。
朝から晩までジョークジョークジョークの超絶愉快な男が、何が何でも美人を落とそうとあの手この手のアプローチ大作戦から物語は始まります。
ここはチャップリンさながらおかしくて、昔ながらの映画のようにロマンチックに描かれます。
しかし背景には軍人がよく映るようになっていき、街はみるみる変わっていきます。
そう、第二次世界大戦です。
ついには陽気な主人公一家も、強制収容所に連れていかれます。
しかし、この男はそんな事ではくじけません。
収容所でも変わらずジョークを飛ばし続けます。
彼は幼い息子を怖がらさせない為、ユダヤ人もナチも巻き込みながら、収容所自体を巨大なゲームと見立てていくのです。

戦争でなくとも、辛いことや嫌なこと、つまらないことは、誰の人生にでもあるかと思います。
そんな時は目一杯落ち込んで、その後にこの主人公のことをちょっとでも思い出すと楽になるんじゃないかと思います。
この主人公は、物事を違う角度から見る天才です。
辛いことにも別の側面を見出し、笑いに変えてしまいます。

全世界でコロナウイルスが猛威を振るう中、各国では都市封鎖に自宅待機、劇場は封鎖され、映画はほとんど公開延期となっております。
でもこれは逆にチャンス!
この機会に往年の名作を見返してはいかがでしょうか。
そしてこの作品もTSUTAYAに行けば大体置いてありますので、ぜひ!