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劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者のKのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

兄弟が、数ある選択肢の中で選び抜いて進んできたこの長い旅路の果てに、この映画の結末があるのかと思うと、感慨深い。

一期の鋼の錬金術師は賢者の石とホムンクルスの真実に辿り着いてから原作よりも命に関する問題が多く、その分重く深い脚本に仕上がっていると個人的に感じていた。それが最後まで貫かれていてとても良かった。

又、この映画で最後瓦礫の下敷きになって女の子が死んだ時、今までは兄弟の話を見てきたのだけれど、視点を変えればその子を甦らせようとする人も出てくるかもしれないと思った。僕は、主人公の周りの人間は瀕死で生き返るのに、スポットが当たってない一般人が簡単に死ぬ映画は好きじゃない。二人の最後の決断は、二人が巻き込んだ全ての人に対する覚悟で、だからこそ命を平等に描き切る鋼の錬金術師がとても良いと思った。

僕は二人が関連してきたホムンクルス、一般人、国、全てを受け止めて不器用に進んでいくエルリック兄弟の物語が好きだ。二人の決意が、希望に満ちた世界に行けるように何故か祈っている。
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