カカオ

日本の黒い夏 冤罪のカカオのレビュー・感想・評価

日本の黒い夏 冤罪(2000年製作の映画)
3.7
多くの人に見て欲しいと思う作品。

1994年6月松本サリン事件、
続いて、1995年3月地下鉄サリン事件が発生。
その直後から警察が上九一色村の第7サティアンに対して鳥カゴをお供にガスマスク姿で家宅捜査したあの時代。

えっ?把握していたのか?
警察が一気にオウムの施設へ総動員で捜査にかかる。

この進展があるまでの間、松本サリン事件で報道されていた容疑者が犯人と思っていた人は多いと思う。

本作品は松本サリン事件で、容疑をかけられた冤罪被害を再現する物語。





当時、多くの日本人はサリンを知らなかった。
サリンと発表されてもピンと来なかった。


長野オリンピックを控えている県警が、事件を早期解決するために犯人とは違う人物を徹底的にマークしてしまった冤罪。報道陣も疑わしい犯人として報道してしまった事実。


たまたま第一通報者が薬品に詳しい人物で、青酸カリまでも所有していたことから、犯人として疑われてしまった悲しい偶然。


地下鉄サリン事件で、サリンが使われたことを知ると、松本市の事件で扱われた有毒ガスだと皆が思った。


殺戮兵器に詳しい人ならば松本サリン事件が大規模な事件のデモンストレーションと考えるのではないか。結果論となってしまうが、やはり地下鉄サリン事件ほどの事件が予見できなかったことが危機管理不足だった。



本作品のテーマは「冤罪」
犯人に決めつけられた苦しい日々。
容疑者に年越しソバは食べさせるな。
結論ありきで杜撰な捜査。
デマで踊らされる捜査と報道関係。





本作品は有名なキャストが多いのに、あまり知られていないように思える。

若かりし遠野凪子と北村有起哉が良かった。
カカオ

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