このレビューはネタバレを含みます
腐敗した権力の横暴。
家制度ならではの嫁いじめ。
現代社会にも通じる問題には大いに感情移入できる。
悪政と汚職を尽くす諏訪をどうやって切り崩していくのかと思いきや
東山紀之が刀でバッサリと斬って捨ててあっさり片付けて驚いた。
行為自体は2.26事件等と変わらないわけでまるで賛同ができないが
エンタメ映画として素直に受け取るならば文句なしに溜飲が下がる。
ハッピーエンドを予感させて幕を引くラストは潔い。
タイトルの山桜が、小道具としてとても効果的に使われている。
出番は少ないものの
東山紀之の圧倒的な存在感がすごい。
泣き言を言わない田中麗奈の耐え忍ぶ姿と
夫に「何だその目つきは」と再三怖がられる
芯の強い眼力もとてもいい。
悪役の夫、姑らの酷さを強調した姿
実家の母、手塚の母らの品のある姿
の対比も見事。
※2021.8 プレミアムシネマ。