「頭がついたまま眠れて嬉しいわ」
これも、ずぅ〜〜っと📎してたままだった作品。オズの魔法使いの後日談かぁ、初めてだなと思いきや、子供の頃に読んだ絵本で内容全部履修済みだったわ。
今だに持ってるので、鑑賞後、探し出して絵本の内容と照らし合わせてみた。
私が持ってるのは「オズのオズマ姫」と言うタイトル。
絵本では、
旅行のために叔父さんと乗ってた船が難破→ドロシー遭難(叔父さんの生死不明)→オズの国へ帰還
なのが、コチラの映画では
オズのことで頭がいっぱいのドロシー、治療のために精神病院へ→脱走→川に落ちて漂流→オズへ帰還
と、最終的にオズの国にもう一度戻ってくるわけだが、少しずつ展開が異なっている。特に序盤でガチもんの精神病院に連れて行かれるところなんて、「オズ」というファンタジーなキーワードに惹かれて見た初見のお子様を悉く蹴散らすようなおどろおどろしさ。病院内部のビジュアルもBGMも普通に怖い。
ホイーラーズ(絵本では、くるまーだった笑)が襲ってくるところなんてビジュアルの怖さと不気味な声のデカさに普通にビックリしたし、モンビ姫の城での「命を与える粉」奪取大作戦の時なんて、普通に大人でも怖い雁首の演出。
加えて、ドロシー役のフェアルザ・バルクの特徴的な顔と透き通るような青い目が無機質な人形みがあって、普通に演技がなかなか上手いため、ただのフワッとしたファンタジーではない何か特別なものにするのに大いに貢献している。10年後に「ザ・クラフト」であのナンシーやるんだもんな、、既に面影はある。
子供向けとはいえ110分の長丁場、見たらわかる、場所を移しまくっての混戦具合。割とテンポ良かったから飽きずにサクサク見れたのに、後半からラストにかけて急激にモタついたのはちょっと残念だった。
ノーム王のビジュアル、そこまでずっとストップモーションで頑張ってたのに、ある瞬間からめっちゃ人が演じてて、さすがに笑った笑
色々出てきたキャラの中で一番印象に残ったのは、気分に応じて首ごと取っ替え引っ替えするモンビ姫が、最初にドロシーと出会う時の「首」役の女優さん。アンニュイなお顔と癒しボイスが個人的にとても好み。
教訓という教訓は特になかった気がするけど(強いて言うなら、仲間を信じること?)、このボリューミーな内容を、ストップモーションやパペット技術、特殊効果や演者の演技で持ってまとめあげたことはすごい。あとドロシー頑張った!
時間に余裕のあるダークファンタジー好きには見て欲しい作品。