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オズの346のレビュー・感想・評価

オズ(1985年製作の映画)
3.5
自分が生まれてはじめて観た映画!
それがBSでやっていたので録画していたのですが、ようやく観ました。

当時、自分は5才!試写会が当たったからといって、保育園を早退し(あの園児たちの羨むような顔よ)映画を観るなんて大人の仲間入りじゃないか!とワクワクして臨んだ初映画なのですが、同時の感想はというと…。

待って!なにこれ!日本語話さないのかよ。騙された!漢字だらけの文字なんて読めねぇよ!それも、とっても暗くねぇ?ダウナーじゃね?主人公病院送りのオープニングってなに?街の人がみんな石になってるし、手足が車輪になった化物が襲ってくるし、魔女は顔を交換して暴れまわるし、楽しい要素なに!?なんて、思いながらも、頑張って観てたら、隣りで母ちゃん寝てるし!なにこれ!

とまぁ、それでも、脳内補完しながら最後まで観たことで、母親から褒めて貰えたので、この映画は自分にとって大事な一本となったのです。
でも今となれば、母ちゃんが眠くなるのは少しわかります。

今の映画と遜色ないぐらいに映像はこだわってるし、SFXも力が入っていて、新しいキャラクターも魅力的なのですが、この映画にはオズの魔法使いパート1の美しさが見当たりませんでした。
(新しいキャラクターの中でもティック・トックは特に素晴らしいキャラで、あやふやな記憶のなかでも、このキャラだけはハッキリ覚えていたのですが、やはり今観ても一番のキャラでした。かっこいい!だからこそ終盤の不在は何!予算の都合?ばかっ!)

じゃあ、そのオズの魔法使いのパート1にはあった美しさとはなんだったのかと考えてみると、それはミュージカル要素と、絢爛豪華に装飾が施された巨大なセットにあったんじゃないでしょうか。

それはたぶん、ミュージカルが当時、完全に飽きられていたことと、映画会社がより利益を優先させるようになったことで、巨大なセットをつくる予算も削られてしまったことが原因でしょうが、その結果がこの映画です。
プロローグの物語が暗いのは、華やかにオズの世界を描けないなら、現実パートをうんと暗くして、その振り幅でどうにか!ってことなのかもしれません。

といっても、素晴らしいですよ。
うん、素晴らしいけど、オズの魔法使いの2とするなら、それは難しいというだけです。そしてすごく、パンズ・ラビリンスの雰囲気があります。
パンズ・ラビリンスっぽい映画として観たら、いい映画です。でも、やはりそうなるとオズの魔法使いではないのかな…。でも、思い出いっぱいの記念すべき映画なので、やっぱり大事な一本とします!
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