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シビル・アクションのrage30のネタバレレビュー・内容・結末

シビル・アクション(1999年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

水質汚染訴訟に挑む、弁護士の話。

環境汚染というテーマで言うと、最近では『ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男』がありまたしたが、本作もまた大企業を相手に戦う弁護士の厳しい現実が描かれます。
裁判や調査の費用を小さな事務所が捻出するには限界があって、結果的に主人公は事務所を潰してしまうと。
裁判を長引かせる…兵糧攻めの様なやり方は、『ダーク・ウォーターズ』でもありましたし、お金に余裕のある大企業にとっては、定番の手口なのでしょう。

最終的には問題のある工場を潰せて、一件落着な雰囲気で終わっていましたが、映画的には微妙に感じる部分もありました。
役者陣で言うと、まずはジョン・トラボルタ。
金持ちの色男という意味ではベストキャスティングなのですが、良くも悪くも余裕のある恰幅のせいか、事務所が火の車になっても悲壮感が感じられないんですよね。
そうした部分はウィリアム・H・メイシーに任せたのかもしれませんが、彼は彼でコメディーライクに演じ過ぎだし、もっと主人公の葛藤を描いて欲しかったです。

あとは、敵側の弁護士を演じた、ロバート・デュヴァル。
少し癖のある弁護士役で、この演技を評価する人がいるのも分かりますが、個人的にはやり過ぎに感じてしまったかなと。
彼の弁護士としての有能さも分からないままで、結局、判事を抱き込んだのも彼が買収でもしたんですかね?

こうして振り返ると、実話ベースな事もあり、少しでもエンタメ性を挿入して、映画が重たくなり過ぎない様に腐心していた事が窺えます。
しかし、これだけシリアスな話なら、変に商業的な味付けはせずに、ゴリゴリの社会派映画として作っても面白かったかもしれません。
『ダーク・ウォーターズ』はそっち側に振った作品なので、本作がイマイチだった人は、こちらを是非。
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