甲冑

限りなき前進の甲冑のレビュー・感想・評価

限りなき前進(1937年製作の映画)
5.0
完全にやばいフィルムであった。満州残留中に勝手にハッピーエンドに改変されたのもえらい話だが怒って元の悲哀劇に修復したというのもすごい。欠損部に字幕を当てる事で却ってやばさに拍車がかかっており文章がこれまた秀逸だった。特に歌う轟夕起子も印象的な野々宮の狂気の夢から同僚との会食まではこちらの脳も完全に何これ状態。物価の高騰、不景気、定年制導入と徐々に追い詰められて崩壊する感じは小津らしい。当時のオフィス街の感じや独特のテンポも良かった。
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