1948年、ヒッチコック監督作。
実際に起きた殺人事件を題材にしたパトリック・ハミルトンの戯曲“Rope's end”の映画化。
ヒッチコック初のカラー作品で、全編を長回しワンショットでリアルタイム風※に撮影された密室舞台劇的な作品。
（※当時の撮影用のフィルムは連続撮影10～15分が限界だったそうで、背中や蓋を大写しにするカットを入れワンショット的につないでます）
マンハッタンの摩天楼が見渡せるニューヨークのあるアパートの一室。
学歴優秀なエリートのフィリップ（ファーリー・グレンジャー）とブラントン（ジョン・ドール）青年2人は同級生だったデイヴィッドをロープで絞め殺し、死体をチェストに入れる。（と、いきなり殺人シーンのオープニング）
デイヴィッドに恨みがあったわけでもなく、「有能な選ばれし人間にとっては殺人もアートである」的に、ニーチェの超人思想を勝手に解釈し、その実証のために、身近な凡人である友人を殺してみたという、なんじゃそりゃ！な2人。
死体をチェストに入れたまま、デイヴィッドの父親、デイヴィッドの婚約相手、友人、青年たちのPrep School時代の寮長だったルパート（ジェームズ・スチュアート）やらを呼んでパーティを開く次第。
ブラントンは優越感に浸り、チェストを食卓代わりにして食事や燭台を並べたり、殺人に使ったロープで何冊かの初版本を縛ってデイヴィッドの父に渡したり。
一方、フィリップは得意のピアノを弾いて気を紛らわせようとするものの、犯した罪の重さで冷静さを失っていく。
徐々に2人の異常に気付くルパート。
実は、学生時代、ブラントンはルパートのニーチェの超人思想を崇拝していたのだ・・・
ワンショット／リアルタイム風の撮影技法で、80分間の舞台を見ているような不思議な体験が出来る作品でした。
