sia

ロープのsiaのレビュー・感想・評価

ロープ(1948年製作の映画)
3.5
映画全編をワンシーンで描いた(当時としては)実験的な作品。
ワンカットで撮影したというわけではなく、カットを自然に見えるように繋ぐという手法を取ってるそうです。
繋ぎ目自体は割とわかりやすいんだけど、違和感なく見ることができました。

基本的にひとつの部屋で登場人物たちが喋っているだけなのですが、代わる代わる会話が続いていくので意外に飽きません。
メインとなる会話が行われている画面の後ろの方でも他の登場人物たちが会話を続けていたりするのがリアリティーを感じられて良かったです。

撮影技法にばかり注目が集まるけど、個人的にはちょっと奇妙なストーリーも好き。

この映画は犯人の視点で物語が進んでいくのですが、劇中で起こる殺人事件には動機がありません。
そして犯人はどういうわけか死体を隠している部屋にわざわざ人を集めてパーティーを催すのです。
変てこな話だなあ、と思いつつもなんだか興味を惹かれてしまいました。
もうひとりの主役であるジェームズ・スチュアートが普通の善人ではなく一風変わった人物像をしているのも面白い。

他のもっと有名なヒッチコック作品に比べると全体的に地味ではあるんだけど、映像のユニークさや独特の緊張感などをほどよく楽しめる作品でした。
尺も長くなくて見やすいのがイイ。
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