ぶみ

ロープのぶみのレビュー・感想・評価

ロープ(1948年製作の映画)
3.0
1924年に起きた誘拐殺人事件をベースとした舞台劇を、アルフレッド・ヒッチコック監督、ジェームズ・スチュワート主演により映像化したサスペンス。
同級生を殺した二人組が、スリルを味わうためその場所でパーティーを開く姿を追う。
何はともあれ、この作品の見どころは、リアルタイム進行と、ワンカット風映像であり、それを戦後間もない時代に実現したヒッチコック監督に感服。
と、同様に、都会の雑踏の何気ない音が常に流れ続けるため、臨場感もアップ。
舞台はアパートの一室のみであるため、まさに舞台劇の映画化となっているが、今観ても唸らせるカメラワークは、映画ならではのもの。
反面、ほぼ会話劇であり、正直あまり盛り上がりもないが故に、サスペンス要素は薄め。
そんな中でも、根底に超人思想を携えたサイコパスの狂気は、静かながら恐ろしさを感じさせてくれる。
実験的要素が強いものの、それをやり切った監督の手腕に釘付けとなる一作。

人間、幼い時は妙な事をする。
ぶみ

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