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ミニミニ大作戦のxyuchanxのレビュー・感想・評価

ミニミニ大作戦(2003年製作の映画)
4.8
マイケル・ケインの1969年版を観たので再レビュー。

ほんと邦題がイケてなさ過ぎだし巷の評価低くても、個人的には「Ocean’s Eleven」並み…というかオールタイムベストに入る好きな映画。「交渉人」「ワイスピ8」などや次の「Men In Black」のリブートも撮ってるF・ゲイリー・グレイ監督作品。

原題の「The Italian Job」は後手後手なイタリア警察の仕事ぶりを皮肉ったタイトルらしいけど、本リメイク作では”イタリアでの手口”って意味。

まずオープニングが絶妙。音楽監督John Powellのスパイサスペンスちっくなオリジナル曲に乗せて、ヴェネチアの水路の風景と地図をスピーディにコラージュして見せながら、金塊強奪作戦の計画過程を見せていく映像編集センス。場面展開の繋ぎかたもいいんだよな。

伝説的な金庫破りジョン役には老いてなお知的な風格を漂わせるドナルド・サザーランド、美しい娘ステラ役にシャーリーズ・セロン、まだ売れ始めた頃のマーク・ウォールバーグが珍しく知性派なリーダー役チャーリーを演じてる。

「The Transporter」直後のジェイソン・ステイサムはちょい笑えるイケメン走り屋、やな奴演じたらピカいちな演技派エドワード「Fight Club」ノートン。以上の主役級5人に加えてモス・デフにセス・グリーン。豪華キャストのキャラ立ちもよし。そしてPink FloydのMoney、Marlena ShawのCalifornia Soul、Ohio PlayersのFireなど音楽選びのセンスも凄くいい。この辺もこの作品の2年前に公開されてる「Ocean’s Eleven」と似てると言われる要因かも。

演出も無駄なく効果的。まさか最後とは思わず父との電話を切ったあとにステラが呟く「I love you too」の表情や、「人は信用できるが、怖いのは人の中にいる悪魔だ」と言われたあとのスティーブの視線に現れる一瞬の感情の騒めき。あとで二重に伏線になってる。

さて舞台をLAに移した復讐戦、途中メンバー紹介+作戦計画フェーズで多少ペースダウン感があるものの、渋滞回避のために交通管制をハックしたり、金塊運搬のためにミニをチューンしまくったり、スカっとする爆弾処理など、ワイスピとか合理的にあり得なくても派手派手にいっちゃえ!的なバカ映画にならず、”現実的にギリあり得る”展開だからシラケず観れる。演出も最低限におさえてあるのが好み。

そして、なんといっても赤青白のミニクーパー3台によるカーチェイスはクルマ好きじゃなくたってワクワクさせられる。

改めてみても楽しかった。
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