マーク・ウォルバーグ主演。共演にシャーリーズ・セロン、エドワード・ノートン、ジェイソン・ステイサム、ドナルド・サザーランド他。
今から思うと、かなり豪華なキャスト陣ですね。
悪役なんですがどこか小物感ただようエドワード・ノートンと、ハンドル握った役ならお手の物なジェイソン・ステイサムが特に出色です。
マーク・ウォルバーグのリーダーっぷりや、シャーリーズ・セロンの美しさ、そしてドナルド・サザーランドの出番は少ないながらもいぶし銀の存在感もナイスです。
内容は、3500万ドル分の金塊を巡る強奪戦をスタイリッシュに描くもの。
チームプレイによる犯罪計画の遂行が見物なタイプの映画になります。
邦題のミニミニ大作戦は、計画の遂行の肝となるのがBMW社のミニだからですが、ちょっと時代錯誤なタイトルになってしまっていますね。
というのも、過去にオリジナル作があるリメイクだからなんですが、原題のイタリアン・ジョブも今作には似つかわしくないタイトルになっています。
確かに冒頭はヴェニスが舞台なんですが、それ以後はアメリカに舞台が移ってしまいますので・・・。
マーク・ウォルバーグ演じるチャーリーは、大量の金塊を屋敷の中から短時間で持ち出すために小型車であるミニを使う計画を立案するわけですが、その計画はある理由により頓挫してしまいます。
そこで、移送される金塊を公道でねらう強引な計画に変更するわけですが、そのプランBだと、機動力の高さ以外にミニを使用する理由が希薄なために、肝心のカーチェイスの見せ場でもミニの存在感が薄まってしまったのが残念。
当初の計画通り、屋敷の中を走り回るミニを観てみたかったですね。
まあ、これは旧型のミニと比べて、現在の新型ミニは実はかなり大柄なため、なかなか「小さいこと」を活かした演出ができなかったのではないでしょうか?
渋滞の中を切り抜けていったり、地下鉄の中を走るシーンはありますが、そんなに小型であることを活かしているとは思えませんでした。
以前観た映画で、スマートがそのままエレベーターに乗って移動するという面白いアイデアがあったのですが、本作にはそういったシーンは無かったかと思います。
しかしながら、監督がMTV畑の人だからか、非常に小気味良いテンポの快作となっており、退屈しないで観られます。
各キャラの描き方もしっかりしていて掛け合いも面白いし、ラストもハッピーエンドで後味の悪さがなくて良いです。
ミニもその必要性に疑問を少々感じながらも、非常に格好よく撮られていて、プロモーションとしては成功なのではないでしょうか?
どこかのレビューで、「これだけ騒ぎをおこして警察が出てこないのはおかしい」といった意見がありましたが、確かに同意見です。
金塊の強奪自体は外部に伺い知れないことですが、公道でカーチェイスしているわけだし、歩道やら地下鉄構内を走っているわけで、絶対に警察も介入してくるでしょう。
このあたりは映画的には誤魔化しているわけですが、そこまで気になる点でもないかな?というのが個人的な感覚ですかね。リアルさに拘る人だと気になるでしょうけれど。
未公開シーンを観ると、パトカーと若干、チェイスになるシーンがありました。
なぜだか結果的にはカットされてしまったわけですが、やはりテンポの良さを最優先にしたからでしょうか?
未公開シーンの多くがチェイスシーンなので、かなりカーチェイスシーンは削られています。監督の意図なのか、他の理由なのか、分かりませんが・・・。
ブルーレイ画質は、初期のものとしては良いほうだと思います。
46インチのプラズマテレビだと、観ていて辛いと感じた箇所はありませんでした。
一方、音関係は割と楽しめました。分離感もそこそこあって、車輌の排気音なども迫力あります。
豪華キャストやミニの活躍目当てならハズレのないタイトルです。
セル・ブルーレイにて