わたふぁ

デスプルーフ in グラインドハウスのわたふぁのレビュー・感想・評価

4.0
B級スラッシャームービーをタランティーノが撮ったらこうなる、っていう監督の趣味満載の最高なやつ。

使う音楽も車も俳優もマニアックで、スクリーンの端々にタラさんのセンスが光る。なんなら音楽を使わない無音のシーンにこそ、そのセンスが宿っている。脱力と緊迫の緩急がすごい。撮影も監督が担当していて画がクドい。そのわりに話の内容はない。

モノクロとカラーの使い分けも面白い。エフェクトかけて遊んでいるレトロな映像の前半から、現代的なフルHDの映像に徐々に移行することで、映像の面白さではなくシリアスな内容に集中させるという演出もニクい。

まだ若いぴちぴちの女の子4人を車で追いかけ回して死亡させたキ⚫︎ガイ男の事件を、殺人と事故の両面で捜査するという刑事がいたら、その刑事とのカーチェイスになるのが本来だが、そういう通常の流れにはならず、立件もされず、
結果その男が、人里離れた道端で、弾痕あり骨折あり顔がグチャグチャ(たぶん識別不能レベル)な状態で発見されることになるんだから最高です。