ブタブタ

パフォーマンスのブタブタのレビュー・感想・評価

パフォーマンス(1970年製作の映画)
3.0
ニコラス・ローグ初期(共同)監督作品。
脅迫専門のチンピラ・チャスが命令を無視し相手を殺してしまい組織に終われて元ポップスターの住む奇妙なコミューンに匿われる。
前半のギャング達のクライム劇は極端なアップやズーム、実験的なカメラワークとフラッシュバックで挿入される暴力描写、錯綜する編集で分裂病者が見ている夢の様な非現実的世界。

そして後半、ミック・ジャガー演じる元ポップスター・ターナーがカルトの教祖みたいで、隠遁する地下に広がる屋敷に舞台が移ってからが本番。
この屋敷の美術が古い建築様式の廃墟の様であり、かつサイケデリックな異様な内装。
ここを舞台にマジックマッシュルームによる幻覚や随所で披露されるターナー=ミック・ジャガーの歌、そしてチャスに迫り来るギャングの恐怖と崩壊へと至る結末も幻覚が齎す様な有り得ない事象(まるで落語の『頭山』みたいな)

チャスとターナーの関係は何かフィンチャー『ファイト・クラブ』の主人公とタイラーダーデンみたいにも見えるし、タイラーダーデンの住む廃墟の邸宅とか、マジックマッシュルームを育ててる温室=石鹸から爆弾を作る離れ等何か似てる気がする。
ラスト近くの弾丸が額から脳の中そして外の世界へ出て行くシーンは『ファイト・クラブ』のオープニングの脳から口に出て行くシーンに似てるし、元ネタかも。
ブタブタ

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