書庫番

北斎漫画の書庫番のレビュー・感想・評価

北斎漫画(1981年製作の映画)
3.5
2018年12月2日 レンタルDVDにて鑑賞。

世界に名を残した浮世絵師・葛飾北斎の波乱に富んだ生涯を新藤兼人が描く。
エネルギッシュでエキセントリックな北斎を緒形拳が演じ、その盟友とも言える曲亭馬琴を西田敏行、娘のお栄を田中裕子、そして北斎を魅了した女・お直を樋口可南子が妖艶に演じた。

北斎がまだ鉄蔵と名乗っていた作品前半は苦悩し、足掻き、自惚れるといった人間臭さが炸裂して良かったのだが、晩年を描いた作品後半は老いた主要人物の会話や仕草が妙にコント的な感じに映ってしまい、自分の中で失速した感有り。

本作に於いては、エロティックなシーンがふんだんに描かれているが、中でも樋口可南子と大蛸小蛸との絡みは、前述の失速した晩年シーンにおける最大の見せ場となっている。
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