みむさん

スライディング・ドアのみむさんのレビュー・感想・評価

スライディング・ドア(1997年製作の映画)
3.3
地下鉄への駆け込み乗車が間に合った場合の人生と間に合わなかった場合の人生、比較・並行・交錯しながら描くラブストーリー。

2つ以上の分岐にした「ラン・ローラ・ラン」ってあったね(内容は全然違うけど)。

駆け込み乗車するときは自分にもあるし、間に合わないときも当然ある。1つの選択が思いもよらない結果を招くことも実際にある。

何気ない出来事だが、確かに行動が変わればタイミングがすべて変わり、出会う人も景色も変わる、起こることも変わる。その変化がこれだけ人生を左右するとなると?

2つのパターンが並行、その先にも選択はあるはずでいくつもの枝葉に分かれたような人生が想定されるがそこは広げすぎずにシンプルに。
それぞれの話は恋人との三角関係を描いていて特段真新しさはないものの、主人公ヘレンはどちらの人生を送ったほうがよかったのかと、コントロールできない時の流れと過ぎ去った分岐点を思いながら観ていた。

2つの話が全然違うものになるかと思いきや、要所要所でまるでリンクするかのようになっているのも面白い。分岐はしていても似た人生に収束するものなのか?とも考える。

こうやって見せられるとどってことない日常の些細な出来事が後々に響くと改めて思う。そういう意味では「バタフライ・エフェクト」も思い出す(あそこまで上手く練られた話ではなくシンプルだったけども)。