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ある愛の詩のYOU5521のレビュー・感想・評価

ある愛の詩(1970年製作の映画)
3.8
話は違うが、
邦題『ある愛の詩』って絶妙だと思った。
今知ったけど原題は『LOVE STORY』だもんね。
『ある愛の詩』…、んー素晴らしい。
それ自体でロマンチック。
「詩」にしたところにもセンスを感じる。感嘆です
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70年代を代表する名作。
21世紀になってもあえて
70年代と80年代を舞台にする映画が作られている。
それほど、現在の人にも
憧れとか、意味とか、思いを馳せられる、
特徴ある、貴重な時代だったんだと思う。
まさにその時代を象徴するわけだから
意味深い

フランシス・レイの音楽はあまりに有名。
ジェニファー役のアリ・マッグローは
いま見ても古さを感じさせない女性。
70年代はスタンダードなのかも。
逆に80年代のソバージュとか
肩パッドとかの方が
古さとか時代を感じる気がする

ツィギーとか、モガとか、
セシルカットとか、オードリ・ヘップバーンとか、
いまでもオシャレだもんね。
時代を象徴するのも大事だが
「永遠」に古びないもの、
そういうものを追究するのも有意義だと思う
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恋人のジェニファーの
生意気で、口が減らない、シニカル、
でも愛らしくて、センスあるセリフが楽しい

「バカでリッチでしょ」
「頭はいいが金はない」
「それは私のほう」
「頭がいいの?」
「あなたになびかない」
「誘わないよ」
「だからバカなの」

「思ったより賢いようね。
だから私にひかれた」

「私はつきあう相手を選ぶ」
「僕は合格?」
「だから会ってる」

「私を見てないで勉強したら?」
「ちゃんとやってるさ」
「ウソ、脚を見てる」
「うぬぼれるなよ」
「私に夢中でしょ」
「話題を変えよう」
「話題があったの?」
「抱きたがってると思ってるだろ」
「私が?」
「はっきり言うよ。そんな気はない」
「やっと話が合った」

「驚いた
今のは 本当に
とんでもなく…
まあまあよ」

「新婚さんですか?」
「永遠にね」
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忘れていたけど
ああ昔観たなあって思った。
・雪の中で戯れるシーン
・屋外のスケート場
・スカッシュ
雪が印象的な映画だ
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「愛は決して後悔しないこと」
この映画の有名なセリフ

余談だが、
瀬戸内寂聴が渡辺淳一との
対談本で
「わたしは恋愛というものは
命懸けでないと信じられない」
って言ってた。
彼女一流の、あざとい意見、と思っていたけど
ふと、頭をよぎった。
寂聴は、恋して悩んだり、迷ったりするのは
中途半端に恋をしているからだ、
と言っているんだと思う。
後悔するようなら
はじめからしない方がいいくらい。
というか、後悔するようなものは恋ではない、と。
覚悟したしろ、と

映画のセリフ
「愛とは決して後悔しないこと」は
後悔しそうになった時
それに負けてはいけないという
弱さを包含した、ロマンチックな言葉だと思う

寂聴は、
あらかじめ覚悟しておけば
悩まないし傷つかない、
と人生論的でもある

でも言ってる意味は
多分どちらも同じなんだと思う。
そのことに気づけたのが、
なんとなく嬉しい
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