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ある愛の詩のとぽとぽのレビュー・感想・評価

ある愛の詩(1970年製作の映画)
3.5
「愛とは決して後悔しないことなのよ」Love means never having to say you're sorry.ーーーー「お坊っちゃまと苦学生」古き善きスタンダードな佇まい。今日まで続くメロドラマ王道コース(文武両道金持ち)をなぞった先人で、作品の性質上小っ恥ずかしくなったり甘ったるいのはご愛敬←愛の冷笑家たちはきっと耐えられない。正直今見ると特に珍しくもない普通の映画だけど多くの夢が破れた60s~70sの中で生まれたと考えると。時や国も越えて幾度となく焼き直され見てきたストーリーラインなんだけど見る方も成長していくから、思い出深い作品が本作じゃなくてもまた次の世代に届き響き語り継がれていく愛の詩。それはロミオとジュリエットの頃から変わらない。レールに敷かれた人生なんてウンザリだ、自分らしく生きたい!そんな感じで壁は高い方が作品として観客もまた自身をここの登場人物に投影して燃えるだろう。二人の青臭くフレッシュで怖いもの知らずみたいな魅力は叙情的過ぎる随所の音楽に合わさってきっと当時の若者たちの心を捉えるには充分だったろうな。両家の親の対面や反対にお金の問題、将来の迷い、そして何より難病モノ←日本の薄っぺら糞ドラマ&映画大好きな題材。流れ行く歳月や変わり行く季節と共にその表情を変える街並みもまた本作の登場人物と位置付けられそう(例えば『恋人たちの予感』)。LOVE STORY という真っ直ぐで重荷過ぎるタイトルに恥じぬ昔の良作。詩的でいい意味で色褪せてしまっているから、この手触りもまた愛そう。若かりし頃のトミー・リー・ジョーンズ御大も出ていますよホーホーホー。

「愛してるかも」「愛を軽く語らないで」「住む世界が違うわ」
「落ちたさ、君と出会ったときに」
TOMATOMETER63 AUDIENCE75
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