洋画好きのえび

ホビット 思いがけない冒険の洋画好きのえびのレビュー・感想・評価

3.8
「ロードオブザリング」で描かれたストーリーの60年前のビルボ・バギンズの冒険物語を描いた作品。
先月、全編を通じて年老いたビルボを演じたイアン・ホルムが亡くなったこともあり、本作を観賞しようと思い立ちました。ピーター・ジャクソン監督のFacebookに、イアン・ホルムに向けた素晴らしい追悼文が掲載されていますので、ご興味のある方はご覧ください。
実は、本作撮影時には既にホルムは持病のパーキンソン病がかなり進行しており、本作のロケ地であるニュージーランドには行けないこと、台詞をほとんど覚えられない状態であることを理由に、出演を断ったのだそうです。しかし、どうしても彼に出演して欲しかった監督は「ホルムの自宅のあるロンドンのスタジオにセットを作るから是非出て欲しい」とホルムを説得し、ホルムの本作出演が決まったのだそうです。映像を観た限りでは、激しい動きのないシーンばかりではあるものの、ホルムが病を抱えているようには全く見えず、改めて彼の演技力の高さに驚嘆させられました。

さて、映画のストーリーはというと、邪悪な竜スマウグに奪われた王国を取り戻すべく旅に出るドワーフ一行の冒険に、勝手に話を進めるガンダルフの所為でビルボが巻き込まれる、というお話。また、本作では、ビルボからフロドへ受け継がれたエルフの剣スティングの由来と、何故ビルボが例の指輪を手に入れたのかの経緯も語られるため、「あー、あれか!」と前シリーズの小ネタを探すという楽しみ方もできます。
そして、本作を観た私の一番の驚きは「ドワーフにもイケメンがいるんか!?」ということ。前シリーズで出てきたドワーフはずんぐりむっくりでイメージ通りのドワーフのギムリだけだったし… ドワーフの王位を継ぐトーリン・オーケンシールドを演じるのは、「オーシャンズ8」でデビーを騙した元彼クロード・ベッカーを演じたリチャード・アーミティッジ。「オーシャンズ8」ではいいとこなしでしたが、本作では剣を片手に大立ち回りでめちゃくちゃカッコイイです。雰囲気もワイルドな感じで、ドワーフのイメージとも合ってますしね。
さらに、本作ではレゴラスの父スランドゥイルも登場。演じるのは「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」で青い顔の敵ロナンを演じたリー・ペイス。本作では彼本来の眉毛濃いめの美しい顔を堪能することができます。出番は次作と3作目の方が多いですが、冒頭で登場するヘラジカに乗った姿はまさにエルフの王。荘厳で非常に美しいです。

私の大好きな麗しの君レゴラスの戦闘シーンと、森の奥方ガラドリエル様無双のシーンは次作なので、引き続き次作も楽しみたいと思います。