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ホビット 思いがけない冒険のmatchypotterのレビュー・感想・評価

3.9
あの『ロード・オブ・ザ・リング』3部作の前段。
フロドの育ての親、ビルボバギンズの若かりし日の冒険談『ホビット』3部作の1作目、『思いがけない冒険』。

この頃は『ハリーポッター』の前日談、『ファンタスティック・ビースト』があったり、ワーナーが壮大なストーリー達のスピンオフを作ってたイメージ。

まぁもはやスピンオフなんていう枝葉みたいな話のレベルなんてものではない。

あの指輪物語がまた始まるのか!というレベルの重厚感。
さすがその1作目だけあって170分ぐらいあるし、泥臭いドワーフの雪辱の話に巻き込まれるビルボの本当に“思いがけない”壮大な話だし。

フロド、ガンダルフ、エルロンド、ガラドリエル、サルマン、ゴラムなど『ロードオブ〜』で言うところの“レジェンド”的なキャラクターもガンガン出てくると共に、新たなキャストを加え、驚くほど層の厚い物語になる。

あの『指輪物語』の起源、すべての根源にもなる“例の指輪”もここで登場。ビルボと指輪の出会いがある。

『指輪物語』への思いを馳せながら、フロドの過酷な旅を思い出しながら、ビルボの旅を見守るこの3部作。恐ろしく濃厚なシリーズ。

もう『ロードオブ〜』を何度も観たから免疫がついてるというのはあるが、このシリーズは本家よりもかなり世界観が濃い気がする。

もともとこの1作目はドワーフとエルフのいざこざもありながら常にドワーフの国の話なので、この時点ではまだ人間が出てこないので、よりキャラクターの特性が浮き立ったり、地下とエルフの桃源郷のような街並みなど、いちいち絵力、インパクトがスゴい。
“普通”がかなり少ない。

時系列で観るならこっちからでも良いが、前提を知って世界観を徐々に深めたいなら本家から観るべき、かな。

と書いてたら、あの例の“星の戦争”のシリーズ話や思い出した。
あれもまさにそれ。

制作、公開順はルーク世代のEpi4からだけど、時系列はアナキン世代のEpi1から、的な。

それほど、このシリーズは前の話だけど、後に語られる体だし、色んな映像技術も後の方が優れがちなわけなので、当たり前といえば当たり前だが、この迫力と世界観は本家を凌ぐ濃さを生み出している。
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