トシオ88

赤い風船のトシオ88のレビュー・感想・評価

赤い風船(1956年製作の映画)
3.9
🎈1950年台半ばのパリの少し外れのメルニモンタン地区。1人の男の子が学校に向かう途中に、街灯に引っかかっていた赤い風船を手にする。それがパスカルという名の少年と赤い風船との心の交流と冒険の始まり😆

素敵な寓話。戦後まだ10年足らずなのに、パリの生き生きとした生活がフイルムに焼き付いている。そして何よりも不思議な、まるで生きているかのような赤い風船。パスカル少年の言うことを聞き、楽しげにフワフワと戯れて浮かぶさまは、どうやって撮影したのだろう。市井の老若男女が指を差し振り返る。犬🐶は本当に怖がって隠れてしまうまるで生き物のような素敵な風船😃
そんなパリの街に先日「オルフェ」で観た街を歩く流しのガラス売りを見てびっくり。商売として普通にあったのですね🤭

しかし、やがてそんな楽しい風船を独り占めにさせたくない街の子供たちは総出でパスカルを追い詰めて、風船を手に入れようと追いかける😨
最後、とても不思議で、でも羨ましくもあり、驚く結末を迎える🎈

いろんな見方の出来る映画だけど、赤い風船と少年の、今はもうない昔のパリを舞台にしたファンタジーとしてとても楽しめました😃🇫🇷

パスカル少年は本作監督の実の息子さんが演じたとの事。風船の様々な描写は創意工夫の賜物らしく、DVD同梱のインタビューライナーノーツにも撮影の秘密は明かせないと😊
でもそれでいいと思います。第29回アカデミー賞最優秀脚本賞獲得の本作。台詞は殆どないけど、内なるメッセージに賞が与えられたと思うと納得です。
この奇跡的な時間、僅か40分に満たないファンタジーを観ることができて、何だか心がほんのり明るくなりました😃🎈
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