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ペギー・スーの結婚のアーリーのレビュー・感想・評価

ペギー・スーの結婚(1986年製作の映画)
4.3
2023.4.5

タイトル見た時から頭によぎってたけど、バディ・ホリーの曲から付けられたものかな。改めて曲を聞くとまんまチャーリー。浮気しといてそれはどうやねんとはなるけど。

タイムトラベルもの。夫チャーリーと離婚することを決めたペギー・スーが、高校時代に戻ってしまうお話。あらすじ知らんかったからびっくり。そこまで期待もなかったから意表つかれたみたいで面白かった。
 こういうシチュエーションは誰しもが一回は想像することやと思う。あの時こうしてたら、という意味のない夢想。実際戻ってみたら何が出来るやろう。本当に何かを変えれるんやろうか。今は離婚まで話が進んでしまったとはいえ、2人には愛し合っていた時期が確実にあって、その時に戻ったら。突き放すのは難しいんちゃうかな。一度は結婚した相手。その記憶がある限りなかなか難しそう。
 そもそもペギーは本当にタイムスリップしたのか。マイケルからペギーに捧げた本が送られてきたのは、未来が変わったことを示していると思うけど、それじゃチャーリーが音楽を辞めていないことに矛盾が出てくる。変わったチャーリーならそんな未来になっていないはず。でも全部夢やったことにすると、マイケルからの本が説明つかんくなる。ペギーが過去に戻ってからの話は本当に過去あったことで、タイムトラベルがずっと続いてるとしたら。今作の主役ペギーAが高校生やったころ、別の軸の大人になったペギーBが戻ってきて、彼女の意識を乗っ取った?でペギーBが行動した時の記憶は、ペギーAから消えてしまっている。矛盾ありありな気もするけど、そんな話やっても面白かったかも。

過去に戻った設定なのに、役者が中年時代と一緒。普通変えそうなもんやのに。最初はめっちゃ違和感あったけど、それがどんどんなくなっていく。演技のおかげなんかな。ニコラス・ケイジは当時22歳頃か。思ったより若かったけど、身長あるは顔は大人やわで違和感あり。けど声とか振る舞いとかでハイスクール生感はででたなぁ。キャスリーン・ターナーは初めてみたけど、当時30歳。流石に最後までちょっと違和感あったかな。めっちゃ美人ではないけどなんか惹きつけられる。顔から自信が溢れてるというか。カーラ・デルヴィーニュに似てるのもあるかな。アメリカ人はどんな反応したんやろう。

 未来など知らない状態で、手探りで決断してきた先に今がある。どの出来事もそう考えたら奇跡。まじで今現在の全てに不満がないと、大きく未来を変えるのは躊躇しそう。現在を知ってるからこそ、出来ひんことってあるかもなと思った。過去に戻ったことによって、現在の大事さに気づく。過去に戻りたいと思うことはあるけど、今現在やって10年後の自分からしたら過去。今を精一杯生きることがやっぱり大事なんやなと再確認した。

とはいうものの、やっぱり10代のあの時期ってほんまに大切やったなと思う。その時にしか出来ない経験や、味わえない感情があったはず。子供でもないけど大人でもない時期。ペギーのお母さんの、今が一番楽しい時期よ、っていうセリフにはっとする。けどこれもやっぱ悲しいセリフで、どんな時期でも今が一番楽しいって思える方がいいと思うし、楽しいはず。明日から頑張ろって思える良い作品やった。
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