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ビリー・ザ・キッド/21才の生涯のSPNminacoのレビュー・感想・評価

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原題『PAT GARRETT AND BILLY THE KID』の通り、これはビリーを撃ったギャレットが主体のブロマンス映画。そしてギャレットを「自分だけ髪を切って就職し堅気になりがった裏切り者」、ビリーを「永遠に若い反逆のヒーロー」として描いてるのが面白い。つまりモロに70年代、「いちご白書をもう一度」な訳だ。カントリー&フォークソングのややミュージカル調でもあって、その解釈は尚更強調されてる。浪漫とヒーローの時代が終わり安定を選んだギャレットの視点は、当時の燃え尽きた負け犬的感覚を持った普通のひと。だがかつての友、自由を求め続けるビリーを追わずにいられない。矛盾を背負った自分自身の落とし前を着けるため、彼はビリーと共に鏡を撃ち抜く。まあ、ペキンパーなので演出はやっぱりペキンパーなんだけど、時代色と詩情が強く出たまさに“挽歌”。
ビリーのカリスマ性は当時のクリス・クリストファーソンに重なるんだろうけど21歳には無理があるし、ルックス的にジェームズ・コバーンの方がずっとカッコいい。そして何より、サントラに加え、ビリーの「フォロワー」を演じるボブ・ディランがキュート!この配役にはニヤニヤする。
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