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ビリー・ザ・キッド/21才の生涯のキーのレビュー・感想・評価

1.1
1973年のアメリカ産西部劇映画。主演はジェームズ・コバーン、監督はサム・ペキンパー。音楽担当はボブ・ディランで、ボブ・ディラン自身も謎の男として出演。

何度も映画化された無法者ビリー・ザ・キッドと、保安官パット・ギャレットの物語を映画化。
こんな邦題ですが原題はPat Garrett and Billy the Kidで、ビリー・ザ・キッドに友情を抱きながらも射殺しなければならなくなったパット・ギャレットの苦悩が主に描かれ、それに加えビリー・ザ・キッドを、更にはボブ・ディラン演じる謎の男エイリアスをこの主役二人と同等に扱うという作品になっています。

当時年齢が30代半ばのクリス・クリストファーソンは腹回りがブヨブヨで、とてもじゃないが21才どころか中年オヤジにしか見えないビリー・ザ・キッドはカッコ悪いことこの上なく、謎の男エイリアスはただのチョイ役にもかかわらず主役級にアップで映されるというのも作品としてカッコ悪いことこの上ないです。
サム・ペキンパー作品ということで、暴力的な物を想像していて、あまあ暴力的シーンはあるものの、ボブ・ディランの曲が全編に流れる感傷的な雰囲気で、淡々と描かれる追跡劇は、退屈しのぎにもならず、かなり苦行に近い鑑賞となりました。
しかし、2時間近い苦行に耐えたラストは、感傷的な感動ラストでした。
ボブ・ディランのシーンを丸々カットして、音楽は普通の映画音楽に、野性的な21才の俳優にビリー・ザ・キッドを演じさせたらきっと名作だと思えたでしょう。
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