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プラダを着た悪魔のおーたむのレビュー・感想・評価

プラダを着た悪魔(2006年製作の映画)
4.3
名作、人気作の中でも、見たことない作品がいっぱいなんですが、私の中でのそんな一作だった「プラダを着た悪魔」を、ついに見てみることにしました。
なるほど、人気があるのもよくわかる、面白い映画でした。

お仕事映画で、コメディで、サクセスストーリーで、ファッション映画でもある、一粒で何度も美味しい作品です。
たとえば、ファッションに興味がなくても、その他の要素で楽しめるわけで、だからこそ多くの人に受け入れられたんだろうなと思いました。
舞台が舞台なので、絵的なゴージャスさも相当のもので、色とりどりの衣装や装飾品が画面を華やかに彩るさまには、視覚を楽しませてもらえますし。
良質の娯楽作品だと思います。

そして、本作の象徴とも言うべきキャラクター、ミランダ、面白かったです。
あの執念めいたストイックさが、彼女自身にある種のカリスマを纏わせていて、結果、好き嫌いとは別の次元の魅力を持った人物になってたと思います。
アンディの成長を促す役であり、度を超した強権ぶりで笑いどころを提供する役でもあり、こんな人物を崇拝し畏怖するファッション業界への痛烈な皮肉の表現でもあり…と、まさしく八面六臂と言って良いくらいの活躍ぶり。
ヒロインであるアンディ以上に、作品の核になっているキャラクターでした。
個人的にはこの人、共感できる部分がほぼゼロというぐらいの嫌な人なんですけど、そう思わせる時点で、作り手さんや演者さんの意図にハマってますよね。
上手かったです。

しかし、痩せすぎのモデルが問題になり、その問題について法制化までされちゃう時代に鑑賞したために、あの感じのアンディを「太った子」と言っちゃうミランダのことが、ことさら滑稽に見えたのかな、という気はしますね。
公開当時に見てたら、また感じ方も違ったのかもしれません。
一方で、ファッション業界の持つ虚飾性は、SNS全盛の今の時代を想起させるようでもあり、時代に取り残された部分との対比が興味深かったです。
楽しく、元気がもらえる映画ですが、それ以上のことに思いをいざなってくれる作品だとも思いました。

以上です。