TAK44マグナム

007/ダイ・アナザー・デイのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

007/ダイ・アナザー・デイ(2002年製作の映画)
3.8
ピアース・ブロスナン主演の007シリーズ最終作。

シリーズ通算で20作目の記念作品ということで予算も潤沢だったのか、とにかくド派手なアクション大作に仕上がっておりまして、もはや007じゃなくて良いんじゃないかという仕上がりっぷり。
ボンドも00ナンバーをはく奪されちゃうしね。
アクション大作といってもダニエル・クレイグ版のような深みのある渋いアクション映画ではなくて、「ムーンレイカー」みたいな、確信犯的におバカなSFアクションの様相。
主に劇中に登場するガジェット類がSF的なんですな。
特筆すべきは光学迷彩によって「透明になる」ボンドカー(笑)
明らかにやりすぎですが嫌いではありません。
むしろ好き(笑)。
現実でも光学迷彩スーツなんかは、ほぼ完成されているらしいので(ゴルゴ13も戦いました。勿論、勝ちました)、時代がようやくMI6に追いついたって感じでしょうか!
氷の宮殿での敵車(運転するのは「ワイルドスピード」で悪いストリートレーサー役だったリック・ユーン)との壮絶なバトル・チェイスもめちゃくちゃ派手で、決着のつけ方も中々良かったです。
しかしながら、敵の最終兵器が(「蒼き流星SPTレイズナー」でグラドスが地球攻略に使ったような)衛星兵器ってのは、「ゴールデンアイ」でも衛星兵器が敵の切札だったことを考えると、少々ネタ不足の感もあり。

冒頭、いきなりサーフィンで北朝鮮に潜入するジェームズ・ボンド。
ありとあらゆるスポーツをこなすボンドならではですが、サーフィンって行って帰ってくるようなものだと思っていたので、他所からの侵入に使えるとは思わなんだです。

そんなこんなで北朝鮮で捕らわれてしまい拷問を受けるボンド。いきなりシリーズでも最高峰の大ピンチ状態ってのも珍しいですね。
捕虜交換で助けだされた髭面ボンドでしたが、情報を吐いたと疑われてライセンスも没収、ただの人に!
怒ったボンドは単独で黒幕を探り出そうと、即時行動を開始します。
国家の後ろ盾がなくなっても全く意に介さず、行動に支障がないように見えるボンドがすごい(苦笑)。

他所のエージェントでありながら協力関係になるボンドガールがハル・ベリー。
さすがの存在感で、ボンドのパートナー役を見事に演じております。登場時からして赤ビキニで、やっぱり派手。

もう一人のボンドガールは、なんと「ゴーンガール」のロザムンド・パイク。
ハル・ベリーVSロザムンド・パイクというベストマッチが楽しめます。

ハチャメチャな印象が強い本作ですが、マドンナ(ちょっとだけ出演もしています)の歌う主題歌も格好いいし、たたみかけるようなおバカアクションのつるべ打ちに退屈しないで済むので、「007シリーズの美学」に拘らなければ荒唐無稽なアクション映画として楽しめるかと思います。
記念作品ということで過去作のオマージュも散りばめられているので(そこまでシリーズファンではないので全ては分かりませんが・・・)、過去作のファンならその辺りでクスリと出来るのではないでしょうか。
個人的には007シリーズの中でも好きなほうですね。


テレビ放送、レンタルDVD、セルブルーレイにて