HicK

バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2のHicKのレビュー・感想・評価

4.9
《高機能作品。初めて見る人が羨ましい映画No. 1》

【最高のご褒美】
1作目を楽しんだ人にとっては最高のご褒美。前作を丸々フリとして使用し散りばめられたギミックの数々。初めてシリーズを見た時は今作が1番好きだった。

【ダークな2作目】
前作は爽やかな青春劇だったのに対し、今回は残酷なディストピアが生み出す少しダークなトーン。結構"ヘビー"だが1作目3作目とも似ていないテイストが好きだった。

【制作陣もタイムトラベル】
冒頭のジェニファーとのシーンやクライマックスなど前作を完コピするシーンが多い。当時を蘇らせる再現クオリティの高さに、現実世界でも監督たちが自力でタイムトラベルしてるようなメタ的な面白さを感じた。

【続編の利点をフル活用】
伏線回収の面白さは健在。今作はそれに加え続編の利点を活かし、前作の展開をなぞったデジャヴな面白さが多発。また、パラレルなタイムラインや1作目の"B面"など「もうひとつの展開」を見せてくれるオルタナティブな面白さも際立っていた。1作目の成功をフル活用した理想的な続編像でもあると思う。それだけではなく、中継ぎ作として3作目への伏線も沢山ばらまいている。本当に高機能な脚本。

【役者陣】
「1人数役」のお家芸が炸裂。芸達者な役者陣による振り切った演技の数々はシリーズ1。ここまでくると演技の幅の広さとぶっ飛び具合に圧倒されてしまう。

特にビフ役のトーマス・F・ウィルソンの演技はさらに幅を求められ、変わり様が見ていて面白い。ドナルド・トランプ風キャラを好演していた。欲を言えばパパ・ジョージ役のクリスピン・グローヴァーの続投も見たかったなぁ。

【総括】
今作はシリーズの一部として見るとかなりの高機能作品。続編の恩恵を活かし、前作を楽しんだ者にとってのご褒美でもあれば、より1作目を好きにさせる演出も盛り込まれ、次の作品を更に楽しんでもらう伏線の数々も隠されている。そんなギミックの数々を無防備な状態で体験できる「初見が羨ましい作品」ナンバーワンかもしれない。
HicK

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