Jeffrey

無法松の一生のJeffreyのレビュー・感想・評価

無法松の一生(1958年製作の映画)
4.0
「無法松の一生」

本作は昭和三十三年に稲垣浩が監督をし、共同執筆で伊丹万作が脚本を務めたベネチア国際映画祭最高賞の金獅子賞を受賞した監督自身のリメイクであり、主演は三船敏郎であり、昔ツタヤでレンタルして鑑賞して、Netflixで配信されていたので久々に見たくなり鑑賞したがやはり良い映画である。キネマ旬報ではベスト七位になっているが、この作品は監督にとっては検閲で削ぎとられたシークエンスを思う存分に使いこなして再度作り直した作品で最高賞受賞したのだから誇らしいだろうなと思う。今年にはオリジナル版が角川からBDで発売され購入してこの間鑑賞したが涙なしには見られないほどの傑作だった。阪東 妻三郎の芝居がとにかく凄い作品である。

東宝スコープにアグファカラーを採用したこの作品の映像は非常に綺麗である。こちらもブルーレイで発売してほしいし、モノクロフィルムを使うモノクロ映画(白黒映画)に対して、カラーフィルムを使用し自然のままの色を再現した映画をここまで、美しく見せられるのって本当にスゲェと思う当時で…。この当時は増村の作品や木下の作品がトップを争って、見事に本作が受賞したが、日本勢がここまで乗り出して最高賞を競うなんて今じゃほぼ考えられない事だな。三船も自分が出ている作品(黒澤の羅生門)で二度も金獅子賞受賞したのだから嬉しかっただろうな。
Jeffrey

Jeffrey