らくだ

悪の教典のらくだのレビュー・感想・評価

悪の教典(2012年製作の映画)
4.0
気さくでクレバーで、生徒からの人気も高く仕事熱心な素晴らしい教師として評判の男・蓮実の正体は、自分の欲望のために人を食い物にして、困ったことがあると自殺や他人の仕業にみせかけて平気で人を始末していく…最悪な人間だった。ある時「計画」に綻びが生まれたことから、じゃあせっかくだからみんな殺しちゃお!と決心する、というサイコな極悪非道を「殺す側」から描いたスリラーです。


このサイコ蓮実(あろうことかこの作品では”主人公”です)、愉悦や欲求ではなく、ただひたすらに「作業」として人を殺していく光景があまりにも怖くて泣きそうです。やってることの意識レベルが「洗濯物を取り込んでたたむ」「お昼ご飯を作る」くらいの感覚で人が死んでいくんですよ。こわくないですか…?そして主人公ながらどこまでも共感性がなく、最後まで最悪なので、それが最高です。でした。
伊藤英明はめちゃくちゃに整った顔立ちで瞳が黒目がちなので、こういう倫理が死んで平坦になってるサイコの役がめちゃくちゃ似合いますね…顔がいい男が人をバンバン殺す映画はいい映画なので…


後半の殺戮パートも、文化祭の準備でポップな装いになった校内で少年少女の命が次々に吹き飛ばされていく、というビジュアルギャップの性格が悪くて大変良いです。倫理的には「良いです」とか言っちゃいけないんですけど、これは映画なので、楽しんでも大丈夫です。よかった
らくだ

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