映画に登場するサイコパスが怖いのは表の顔の印象と本性とのギャップがあることと、本性が表に出るタイミングが予測不可能だから(と思います)。
本作のサイコパスは、人気者が持っている大体のものは揃えているけど、ひとつ肝心なものが完全に欠けている。なのでサイコパスモノとしてはセオリーどおりですね。
何事にも完璧主義を貫き通す。だから疑惑の目が向けられていることを敏感に察知して、邪魔になりそうな障害を密かに狡猾に排除していく。そこに予想外のアクシデントが重なってしまい、計画の変更を余儀なくされ、大胆な凶行に及んでしまう。この辺も予測不可能でよかったと思います。
ただ、その学校をステージとした凶行まつりが単調でなんとなく予測できて、単に伊藤英明らしくない演技が続くだけのような気がしました。バイオレンスがとめどなく続くと恐怖が薄まってしまい、血飛沫の飛び交う派手派手な演出でも飽きてくるのです。