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マイライフ・アズ・ア・ドッグのkoyaのレビュー・感想・評価

5.0
日本公開1988年。懐かしい。このころのラッセ・ハルストレム監督はスウェーデンで本当に良い映画を作っていました。
この映画、大好きです。

今回、再見して『やかまし村の子供たち』もそうなんですが、特に大事件が起きる訳ではないある少年のあれこれをこれだけ、みずみずしく、繊細に、可愛らしく、そして子供らしく映画にした人はそういないのではないかと思います。

母が病気になってしまい、十分に甘えられず、それでもひねくれることなく、時に気丈に、時に弱気になる一人の少年を見つめる目があたたかい。
いたずらも、暴れたりもするけれど、それでいいんだよ、という許しの視線がずっとあるのです。

そして光輝く風景の美しさ。ユーモラスな村の人々、男の子よりボクシングの強い女の子、性への興味、サッカーに夢中になる村の人々。

時々、寂しくなると宇宙に飛ばされたライカ犬の事を思い、自分で自分をなぐさめる時の星空。
満点の星空はこの映画では、寂しい少年の心象風景。

主役のイングマルを演じた男の子のえくぼのある微笑みがとてもいいのですが、この後は役者さんとしては映画にあまり出ていないのですね。

1988年当時の日本ではまだまだサッカー熱はなくて、ボクシングのシーンは覚えていましたが、サッカーのシーンがこんなにあるとは思いませんでした。北欧はやはりサッカー盛んだったのですね。
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