ヒメ

マイライフ・アズ・ア・ドッグのヒメのレビュー・感想・評価

4.5
スウェーデンの海辺の小さな街。
12歳の少年イングマルは兄と病気の母、愛犬シッカンと暮らしている。母は次第に病状が悪化し、ヒステリックになり笑顔の素敵な母は消えていってしまう。
「元気なうちに、色んな事を話せば良かった、きっと笑ってくれただろう。」

母を見ていて辛い時、イングマルはいつもこんな事を想う。
"新聞で読んだ列車事故、
腎臓移植で死んでしまった人、
人工衛星に乗せられ、地球の周りを5ヶ月回って餓死したライカ犬"
「それよりもマシ。僕は運が良かった」
これがこんな小さな少年の哲学。

母の療養の為に家族はバラバラになり、イングマルは山間の村に住む叔父の家に預けられる事になる。
「暖かくなったわね。あんたが太陽を持って来たのよ」叔母のこの一言が、イングマルの生活に希望の光が差し込んだ瞬間でした。叔父がまた面白くて。
仲の良い夫婦、ユーモアたっぷりの家庭では、子供は大らかに育つ。叔父夫婦と一風変わった村の人々や友達との出会いによって、イングマルに笑顔が増え、私の心も温かくなりました。村全体が本当に明るくて楽しい。綱渡りのシーンなんかも好き。
女性雑誌を読ませるおじいちゃまも、かわい。
全編に流れる音楽や情景も
悲劇だけでなく、人生の楽しさも語ってくれているよう。
何度も観たくなる作品です。
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