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怪談のあーのレビュー・感想・評価

怪談(1965年製作の映画)
3.7
『黒髪』『雪女』
『耳無芳一の話』『茶碗の中』
の4篇からなるオムニバス。

土地に根付いた怪異や、伝承は
その土地の者なら知っているが、
異国の人のフィルターを通して
紡ぎ出されたお話がより広く伝聞
されてる現象って、面白いよね。

黒髪、茶碗の中は初めてのお話。

夫婦の情念が描かれた黒髪。
約束を違えた悲哀が描かれた雪女。
平家の執念に巻き込まれた哀れな芳一。

心の機微を映される方が、
わかりやすく伝わりやすい。

だからこそ、
『茶碗の中』の"未完"さの
意味不明である事の方が怖い。
薄ら寒さすら感じる。

コレを最後に持ってくるとは、
ヤラレた!!!!

興行収入がおっつかなくて、
製作会社は倒産したようだが、
受賞歴は多い。

それもその筈、ほぼセット内で
撮影していると思われるが、
今、ここまで資金かけて出来ないのでは?

セットがとにかく素晴らしいのだ。

ジャパニーズ職人技ソウル感じた!!

一つ一つのテンポはそんなに
よろしくないが、本来怪談話は
ちゃっちゃっとしていないので、
世界観を丁寧に表そうとしている
心意気は感じる。

イメージ的には、おばぁがゆっくり
語る方が怖いヨネ。そんな感じ。

耳無芳一は子供の頃に、
スーパーの壁に夏休みアニメ映画を
放映するイベントがあって、そこで
初めて観た時はしばらくトラウマに。

改めて観ると、目の見えない者に
とって大事な部分である筈が、
目の見える者には見落としてしまう。

意識の差も感じた。

触感はあるんだから、芳一は
ココ書いてナイヨー!!
言いなさいッ。゚(゚´Д`゚)゚。!!!

己で、守ってー!!!!

。゚(゚´Д`゚)゚。も感じたが...。

宮部みゆきさんの『あやし』の
短編好きなのです。

現代社会のホラーよりも、
古い時代の人間の心の様が描かれて
いる方がジャパニーズホラーは
惹かれちゃうなぁ。

和の美しさがあるもの。

「不思議でちょっと怖い」
その"ちょっと"がお味噌だと思う。

怖いモノ見たさを刺激されるからこそ、
ラフカディオ・ハーンのお話も
広く知れ渡ったのかしら。

ほんまに怖い。はやっぱり
プルプルしちゃう。
蓋しちゃう。
あー

あー